2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名和 範人 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (90218066)
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Keywords | 非線形シュレーディンガー方程式 / 爆発解 / レーザービーム / 自己集束 / 自己組織化 / 特異点 / ネルソン拡散過程 / 重対数法則 |
Research Abstract |
非線形シュレーディンガー方程式の爆発解の漸近形と爆発速度との関係を解析した結果の速報をまとめている:特異点の個数や特異性を作らない部分が爆発速度と密接に関係していることが分かった.これから,対応するネルソン拡散過程の「経路」の振る舞いについての,もっともらしい予想を得る事ができ,下からの評価と拡散過程の関係については厳密な証明に近づいたと思われる.一方,上からの評価(重対数法則)については特異性を作らない部分の形状が重要な役割を演じているようだが,その解析にはもっと詳細な漸近形に関する情報が必要とされるようである.これらの結果については12月に京大で堤誉志雄教授が主催した研究集会で話をする事ができた. 日本の数学解析研究者が集うセミナー『語ろう「数学解析」』(http://www.gifu-u.ac.jp/~tisiwata/ma-seminar.html)において研究交流を行い,流体などの他の非線形問題の研究者と議論することで,当該研究の意義を再確認し,またある面では問題意識を共有する事ができた.研究協力者である,イスラエル人応用数学者G. Fibichを招聘する予定であったが残念ながら延期となった.しかしながら,メイルなどを利用して議論や情報交換などを行ない,当研究代表者は,非線形シュレーディンガー方程式のレーザービームの自己集束のモデルとしての解の爆発現象について,一見すると数学的な興味からでた問題意識のように思われがちな爆発速度の解析だが,実際のレーザーを用いた実験結果や数値実験を用いた解析結果なども含んだ総説を「自己組織化ハンドブック」の一節として上梓した.
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