2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名和 範人 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90218066)
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Keywords | シュレーディンガー方程式 / 非線形光学 / 爆発解 / ネルソン拡散過程 / 重対数法則 / 特異点 / 非線形散乱理 / ボーズ=アインシュタイン凝縮 |
Research Abstract |
擬共形不変な非線形シュレーディンガー方程式の爆発解の漸近形と爆発速度との関係の解析を前年度の証明のギャップを修正するとともに進め,対応するネルソン拡散過程の経路の振る舞いを爆発速度と特異点の配置と関係づけて議論した.この際,三上敏夫教授(広島大学)との議論が重要な役割を果たした:爆発速度の重対数法則の上からの評価に一歩近づくこたができた.これらの結果については9月の東北大での国際研究集会と12月の京大での国際研究集会で発表した.また,いくつかの研究者セミナーでも講演を行った。 擬共形不変ではないが,優臨界指数を非線形項に持つシュレーディンガー方程式についても赤堀公史助教(愛媛大学)と共同で解析を行った(論文執筆中).「ポテンシャルの井戸」と呼ばれる初期値のクラスの解の挙動を完全に分類することに成功し,「負の井戸」では非有界な解となり特異点を生成することを,「正の井戸」では有界な解となり散乱状態を持つことを示した(正の井戸では漸近完全性が成立することも示せる).これにより基底状態が2種類の不安定性を示す事も分った.優臨界な方程式はボーズ=アインシュタイン凝縮のモデル方程式も含んでいて,得られた解の挙動はボーズノバのような実際の現象とも関係していると考えられる.これらの解の振る舞いと対応するネルソン拡散過程の性質を今後の課題とすることで,擬共形不変な場合に関しても新しい一つの知見をもたらすものと考えられる.また、流体などの他の非線形問題の研究者と議論することで,当該研究の意義を再確認し,またある面では問題意識を共有する事ができた.
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Research Products
(2 results)