2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 卓克 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
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Keywords | 非局所放物型方程式 / 臨界密度 / 半導体シュミレーション / 走化性粘菌モデル / 移流拡散方程式 / 臨界空間 / 自己相似解 / 非線形熱方程式 |
Research Abstract |
研究実績は以下のとおり。 1.研究代表者の小川は、連携研究者の石渡通徳(室蘭工大・工)、研究協力者の高橋太(阪市立大・理)、黒木場正城(福岡大・理)らとともに2次元上で楕円型部分が非線形に摂動されたKeller-Segel系の時間適切性について研究し、初期値が十分小さく解に一定の変分法的特性を満たす場合には解が一意的に存在すること、またそれ以外の場合には一般に解の一意性が崩れ、適切性が成立しないことを変分的手法により示した。特に初期値問題が非適切であって少なくとも球対称の初期値からは少なくとも解が2つ存在することを示した。方法はヒルベルト-シュミット法と楕円型方程式の臨界点解からの分岐解をとらえることにより示される。 2.研究代表者の小川は研究協力者の清水扇丈(静岡大・理)と共同で2次元Drift-diffusion方程式を臨界Besov空間で考え、局所解の存在定理と時間大域的可解性を示した。その際に非回帰的Banach空間における最大正則性定理を証明し、L^1に近い空間における擬似的なエネルギー不等式が成り立つこと、またL^1空間では同様の不等式が一般には成立しないことを示した。 3.研究代表者の小川は研究協力者の山本征法(東北大大学院博士3年)と共同で、高次元drift-diffusion方程式の解の減衰について研究し、時間大域解の解の漸近挙動を高次の項まで展開した。特にこの問題に固有のキャンセル効果により高次漸近展開項がより簡潔に表せることと、高次の展開項が一般には消えないことを示し、高次項の誤差項に対する下からの減衰評価を与えた。
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Research Products
(8 results)