2007 Fiscal Year Annual Research Report
中性子磁気構造解析によるスピンを担う電子密度の可視化
Project/Area Number |
19654047
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野田 幸男 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (80127274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 真史 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60312659)
木村 宏之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50312658)
|
Keywords | 電子軌道の可視化 / 磁気構造解析 / 磁気モーメント分布 |
Research Abstract |
磁気構造解析から磁気モーメント分布を求め、電子軌道を可視化するという試みとして、平成19年度に中性子回折により磁気散乱強度を測定した物質と解析状況は、以下の通りである。 (1)中性子回折により測定して得られたデータはd-電子系としてLa_2CuO_4とNd_2CuO_4であり、π電子系としてβ'-ET_2ICl_2という有機物である。 (2) 結晶構造解析と通常の磁気構造解析は全て問題なく行われた。 (3) 磁気モーメント分布を出す一番簡単な方法はフーリエ合成法であり、以前にMnF_2という標準物質で手がけたことがある。再度、この方法の妥当性を検証するためにMnF_2の再実験とフーリエ合成法のテストを行い、その後に上記物質にフーリエ合成法を適用した。 (4)成果を国際会議で発表した。 π電子系のβ'-ET_2ICl_2という有機物の磁気モーメント分布に関しては平成19年度に、国際会議(The 8th conference of the Asian Crystallographic Association AsCA07 (4-7 November. 2007, Taipei Taiwan) 03B06-M5 Abstract p115)で、招待講演として発表した。 (5) d-電子系の磁気モーメント分布の解析に関しては、フーリエ変換による可視化と最大エントロピー法による可視化を試みて修士論文としてまとめることができたが、最大エントロピー法の妥当性に対する吟味が終了していないので、まだ発表には至っていない。
|