2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子と膜の混合系におけるモルフォロジー転移の理論
Project/Area Number |
19654063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
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Keywords | 界面活性剤 / モルフォロジー転移 / 高分子 / 自己無撞着場理論 / 膜の曲げ弾性 / ミセル / ベシクル / DPD |
Research Abstract |
1.生体膜と膜接着分子の複合系の平衡構造 膜とゲスト分子の複合系のモデルとして、粗視化分子モデルを用いてリン脂質分子と膜接着タンパク質を表現し、この分子モデルに対するモンテカルロ・シミュレーションを行った。まず、溶媒としての水分子の効果をeffectiveに取り込んだリン脂質分子間の相互作用パラメタを決定することに成功した。次ぎにGay-Berneポテンシャルを用いて、曲げ弾性を持つ膜接着タンパク質分子のモデル化を行った。このパラメタを用いて2枚の平行に置かれた膜を作成し、接着タンパク質分子を埋め込んで相互作用させることで、膜接着の平衡構造と接着エネルギーを評価した。 2.帯電した膜間の高分子電解質の平衡配位 生体膜の作る狭窄空間に閉じこめられた高分子のモデルとして、2枚の帯電した平行平板間に高分子電解質とカウンタ・イオンを配置して、ブラウニアン動力学シミュレーションを行った。高分子電解質とカウンタ・イオンの価数および膜間隔のそれぞれのパラメタを変えたときに、膜に平衡の方向と垂直な方向のそれぞれで高分子電解質の配位に変化が見られた。これは、電荷分布の揺らぎによる静電引力の発生と、電解質高分子がカウンタ・イオンを凝集することが原因であると考えられる。また、帯電板間の距離を変化させることで、高分子電解質の慣性半径が単調ではなく変化することも見いだされ、カウンタ・イオンの凝縮効果であることが予想された。
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Research Products
(1 results)