2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19654069
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 聡 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, 主任研究員 (60281961)
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Keywords | 内核 / 反射波 |
Research Abstract |
地球中心部の構造を解明するためには,地震波データの蓄積は不十分である.本研究は,理論的視点と実際的見地から,有効な地震データの吟味とその観測方法を追求することを主眼とする.今年度は,以下の項目を遂行した.(1)地球シミュレータを用いた波形計算は,地殻やマントルの不均質構造を計算に取り入れることができるが,計算能力の限界から,0.2Hzより低い周波数までしか計算できない.そこで,占有可能な既存の並列計算機にダイレクト・ソリューション法(DSM)をインストールし,球対称の地球モデルならば,実用に耐えられる計算時間の範囲で2Hzまで計算できる環境を整備した.(2)東京大学地震研究所や防災科学研究所の協力をうけ,実際に簡易的な方法で地震計を設置して,テスト観測を実施した.地震研究所の施設において,深さ150cm,直径150cmの縦穴の底に底を抜いたプラスチック・ドラム缶を置き,コンクリートで固めた.広帯域地震計をドラム缶の中に設置して地中に埋めた.このような環境における地震動のノイズ環境を確認したところ,周期1秒から20秒まで良好であることを確認した.一方で,室内で運用していた場合とは異なり,GPSアンテナからの静電気ノイズでデータ収録がストップしてしまうという予想外のトラブルにも見舞われた.一方,防災科技研の施設では,屋屋内で地震計をウレタンで覆うことによって断熱を図った.このような方法でも,人里離れたところならば,広い周波数範囲で比較的に低ノイズが実現できることを確認した.
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