2007 Fiscal Year Annual Research Report
高周波誘導結合による新しい液中プラズマ生成法の開発と粒子処理プロセスの開拓
Project/Area Number |
19654090
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 Osaka University, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 弘祐 大阪大学, 接合科学研究所, 特任研究員 (60432423)
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Keywords | 液中プラズマ / 粒子改質 / 高周波プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、液体中での連続的かつ安定な非平衡プラズマ(低温)の生成と新たなプロセスへの応用展開を図ることを念頭に、高周波誘導結合アンテナを用いた新しい液中プラズマ生成法に関わる放電機構の解明と最適化を行うと共に、ナノ粒子プロセスへの適用性を探求することを目指している。2年間の研究計画の初年度にあたる本年度は、本研究での着想の原点となったプラズマ生成手法について、放電特性と放電維持条件に関する知見を蓄積し、放電機構を探る足がかりとすると共に、特に材料プロセスへの展開を目指して、ナノ粒子処理に適したプラズマ源の構成に関する検討を重点に置いて、以下の研究を行った。まず、プラズマの特性評価と放電機構の解明を目指して、予備実験で用いた実験装置を用いて超純水中でのプラズマ生成実験を行い、導入ガスの有無と流量、放電圧力、高周波電力、高周波電圧・電流に対する安定な放電維持範囲を明らかにした。さらに、発光分光測定を実施し、放電媒体であるガス成分と共に水の解離に伴う原子状水素ならびに原子状酸素の線スペクトルならびに放電空間において生成したOHラジカルの強い発光が観測された。次いで、年度の後半においては、プラズマ源の高密度化と処理速度の向上に有効な構造因子を探ることを目的に、放電パラメータに対する発光種の変化についてデータを蓄積し、高周波電力の効果的な投入方法について検討を行い、基礎データを蓄積した。特に、放電電力に対する発光強度の変化においては、高電力領域において、原子状水素ならびに原子状酸素の線スペクトルの強度がアルゴン原子の発光強度に比べて顕著に増加する領域が存在することが確かめられた。
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