2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的付加環化反応による多層型シクロファン合成法の開発
Project/Area Number |
19655011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 健 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40359683)
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Keywords | 付加環化反応 / 不斉合成 / 面不斉 / シクロファン / ロジウム / 多層構造 / アルキン / 芳香族化合物 |
Research Abstract |
本研究では、カチオン性ロジウム錯体を用いた触媒的付加環化反応を利用した2層型及び3層型キラルシクロファンの不斉合成法の開発、及びこの触媒的付加環化反応を繰り返すことによる多層型シクロファンの革新的合成法の開発を目的とし、本年度はその初期的な検討を行った。その結果、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒存在下、対称α,ω-ジインと対称電子不足内部アルキンとの半分子内[2+2+2]付加環化反応により、安定な面不斉を有するメタシクロファンの高エナンチオ選択的合成に成功した。次いでこの反応にトリインを用いて完全分子内[2+2+2]付加環化反応とすることにより、面不斉メタシクロファンの収率及びエナンチオ選択性が著しく向上することを見出した。一方、このトリインに2-ナフトール骨格を導入しカチオン性ロジウム/Duphos系錯体触媒を作用させると、らせん不斉の高エナンチオ選択的構築が可能となることを見出した。また、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒存在下、対称α,ω-ジインと非対称電子不足内部アルキンとの半分子内[2+2+2]付加環化反応により、安定な面不斉を有するパラシクロファンの高エナンチオ選択的合成にも成功した。さらに、多層型シクロファン合成へと展開可能な面不斉パラシクロファンの新規不斉合成法として、カチオン性ロジウム/BINAPHANE錯体を用いた触媒的不斉炭素-硫黄結合生成反応による面不斉ジチアパラシクロファンの高エナンチオ選択的合成に成功した。
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