2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19655013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 靖人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10456262)
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Keywords | 分子モーター / ロタキサン / ポリロタキサン / 一方向移動 |
Research Abstract |
(1)クラウンエーテルーアンモニウム塩型[1]ロタキサンの合成 輪成分から伸びた軸成分が自己包接した[1]ロタキサンの軸末端から軸成分を伸長し、長い軸成分に輪成分が1つ導入され、片末端に強い相互作用部位であるアンモニウム塩をもつ[1]ロタキサンを設計した。本年度は高分子末端となる[1]ロタキサンの合成法を確立した。[1]ロタキサンは自己包接と分子間包接の平衡系である。そのため選択的に自己包接する軸成分の長さや構造および包接反応条件を精査し、包接された軸末端に末端封鎖基を導入して固定することで[1]ロタキサンの選択的合成を達成した。 (2)保護・脱保護反応を利用した輪成分の能動輸送 軸成分上に2カ所のアンモニウム塩とかさ高いネオペンチル基を有するクラウンエーテルーアンモニウム塩型[2]ロタキサンをモデル基質として合成した。輪成分はアンモニウム塩部位と強く相互作用しており、アシル化すると、片方のアンモニウム塩のままで輪成分と相互作用するが他方のアンモニウム塩はアシル化された(保護)。次に反応性の異なるアシル基を用いて輪成分と錯形成しているアシモニウム塩もアシル化すると、輪成分は軸成分上を動いて速度論的に安定な方向へと移動した。先に導入したアシル基を選択的に脱保護してアンモニウム塩に変換すると輪成分は初めとは異なるアンモニウム塩部位と相互作用して固定され、輪成分の一方向への能動輸送が達成された。このモデル系を適度にかさ高い置換基とポリアンモニウム塩が交互に配置されたポリマー軸や(1)のロタキサンに拡張して、輪成分の長距離能動輸送を検討中である。
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