2007 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属クラスターとバイオ分子の複合化による新機軸機能性分子の創製
Project/Area Number |
19655019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 雅明 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (20292203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助教 (30324693)
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Keywords | タンパク質 / クラスター / 鉄 / 酸化還元 / 構造変化 / 触媒 / 機能 / 人工タンパク質 |
Research Abstract |
天然のタンパク質には、機能性低分子をポリペプチド鎖中の特定の位置に保持し、触媒、電子伝達、分子認識などの様々な機能を獲得しているものが多く存在する。また、そのタンパク質の機能は、ポリペプチド鎖の構造変化により発現される。本研究では酸化還元という外部刺激に応答して、骨格構造の可逆的変換が可能な[4Fe-4C]骨格をタンパク質と複合化することで、新しい機能を有する人工金属タンパク質の創製を最終目標として実験を行った。 Linkerとしてはポリペプチド鎖上のSH基に結合可能なマレイミド基を用い、spacerとしてはこれまで開発した[4Fe-4C]骨格への官能基導入法を考慮して、プロピニレンを用いることとした。ブロモアセチレンクラスター[(C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)(HCCBr)](PF_6)をCuI/NHEt_2存在下、N-propynyl maleimideと反応させることで、マレイミド基をLinkerとして[4Fe-4C]骨格へ導入することに成功した(1,収率76%)。さらに、二臭素化体を出発原料として用いて同様な条件で反応を行うことにより、[4Fe-4C]骨格上に2つのLinkerを有するクラスター2の合成に成功した。2を二電子酸化すると、鉄-鉄結合の生成と炭素-炭素結合の開裂を伴って3が得られ、3を二電子還元すると、2が再生した。化合物のキャラクタリゼーションは、各種分光学的データおよび単結晶X線構造解析により行った。SH基を有するタンパク質のモデル化合物としてL-cysteine methyl ester hydrochlorideと1の反応を1HNMRにより追跡した。1のacetonitrile-d_3溶液にL-cysteine methyl ester hydrochlorideの重水溶液を加えたところ、付加生成物4がほぼ定量的に生成することがわかった。
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Research Products
(4 results)