中空空間を有するポルフィリンオリゴマーの鋳型合成

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19655037
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 小西 克明 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (80234798)
• Keywords: ポルフィリン / かご状構造体 / Auクラスター

Research Abstract

本研究では、球状構造をもつ粒径1〜20nm程度の金属クラスター化合物をテンプレートとして用い、その近傍に配位集積化したポルフィリン化合物間を架橋重合後、クラスターを溶解除去することによって、内部に中空空間を有するポルフィリンオリゴマー(ポリマー)構造体を合成し、パイ電子リッチな内部空間の物質取込能や触媒としてのポテンシャルを調べることを目的としている。申請者らは最近、内部空間への内包を通じた金属クラスター化合物の機能化に関する研究の過程で、金クラスターの表面近傍にピリジル基との配位相互作用を通じて配向させた亜鉛ポルフィリンモノマー間でオレフィンクロスカップリング反応させると、6つの亜鉛ポルフィリンからできたかご状構造体の内部空間に平均粒径1.4nmのAuクラスターを閉じこめた構造体が得られることを見いだした。本年度の研究においては、この構造体の合成手法の最適化するとともに、閉じこめたAuクラスターの除去方法について検討した。具体的には、貴金属単体の溶解に頻用されるシアン化ナトリウム,ヨー化カリウム/ヨウ素などを用いて検討を行った。その結果、Auクラスター部分については完全に除去される条件を見いだすことができたが、同時にポルフィリンのかごの酸化分解が進行するものと考えられ、数種のポルフィリン成分が生成物と得られてきた。現在、カラムクロマトグラフィー、GPCにより各成分を分画し質量分析による同定を進めている。