2007 Fiscal Year Annual Research Report
環状パーシャルテンプレートによる金属クラスターの精密合成と分子集積機能
Project/Area Number |
19655047
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鍋島 達弥 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80198374)
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Keywords | 超分子化学 / 配位結合 / クラスター / 協同効果 / 分子認識 |
Research Abstract |
金属クラスターはナノスケールの粒子となることで、バルク状態とは全く異なる特異的で有用な機能を発現することが知られているため、ナノテクノロジーの重要な研究課題として広い分野から注目を集めている。しかしこれらを用いた精密で純化された機能や物性の発現には、粒子サイズの厳密な制御が必要であるが、一般にこれは極めて困難である。そこで本研究ではSchiff塩基部位を6つもち、種々の側鎖が導入されたトライアングル型の平面分子の合成、および、この上に金属が自己集積しながらクラスターが生成する新規なクラスター合成法について検討を行い、パーシャルテンプレートなる新概念の確立と、この手法の適用限界を調べることを目的とした。目的のトライアングル型配位子の多核錯体の合成において、亜鉛のみ、あるいは亜鉛とランタンを原料と共存させて一気に生成させる方法を用いることで、様々な長鎖アルコキシ基、あるいはクラウンエーテルを導入したトライアングル型配位子のクラスター錯体の合成に成功した。つまり側鎖に応じた反応条件を検討することで、亜鉛が7つ、あるいは亜鉛が3つとランタンが1つ集積したホモクラスター錯体あるいはヘテロ錯体のone-pot合成法を確立することができた。このパーシャルテンプレートの概念を基礎とする方法を用いると、目的のクラスターが高収率、高純度で簡便に得られることがわかった。またブトキシ基をもつトライアングル型配位子は金属を含まないものが別途合成できるので、共通部位であるsaloph配位子部位の錯形成能を調べるために、Mn,Co,Cuなどの金属との錯形成を詳細に調べたところ、いずれもそれぞれの金属の特性に依存した構造をもつホモ多核錯体が高収率で得られることが明らかとなった。
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Research Products
(83 results)