2008 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性ロタキサン型分子スケールダイオードの創製
Project/Area Number |
19655048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 敬治 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (10252628)
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Keywords | 分子素子 / ロタキサン |
Research Abstract |
本研究の目的は外部刺激によりロッキング運動を制御しうるロタキサン合成と、ロッキング運動がもたらすロタキサンの双極子変化を用いた分子スケールダイオードへの応用等、分子素子への応用の可能性を探ることである。20年度は、申請書に記載の3種類の刺激応答性輪分子を必要量合成するとともに、対応するロタキサンの軸分子の一方のストッパーを基板へ担持するために、軸分子へ異なるストッパーを導入する反応を開発する計画を立てた。更に、昨年度は研究がはかどりジアリールエテンをクラウンエーテルに組み込んだ新しいタイプの輪分子の合成に取り組み、環化反応の前段階に到達している。そこで、今年はこの環化反応の見極めまでを計画に含めた。本計画にのっとり研究を実行したところ、研究実施計画に記載の輪分子および対応するロタキサンの設計・合成・物性測定を完了した。この研究成果を論文にまとめたところ、高い評価を得て、学術論文の表紙として採用されるに至った。また、一連の実験を通して得た知見を展開し、ロタキサンのデスリッピング反応に関する成果に結びつけ、学会報告を行うとともに、論文としてまとめた。一方、より高い活性化エネルギーを付与して高い熱安定性を持たせるため、速度論的に十分に安定なジアリールエテンをクラウンエーテルに組み込んだ環サイズ可変輪分子を有するロタキサンを開発するために輪分子の環化反応を試みたが、分解物のみが得られることが判った。今後は、計画記載の輪分子に絞り、基板への配列制御と分子ダイオード研究へと展開する予定である。
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Research Products
(7 results)