2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスを鋳型とした金属微粒子3次元規則配列構造の構築
Project/Area Number |
19655058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新倉 謙一 Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
松尾 保孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90374652)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
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Keywords | ポリオーマウイルス / シアル酸 / 金微粒子 / 表面プラズモン共鳴 / 3次元配列 |
Research Abstract |
表面増強ラマン散乱(SERS)効果は、このサイズ領域において金属ナノ微粒子の配列に非常に敏感である。過去には、DNAを利用してナノ粒子をネックレス状に配列させた例や、筒状タンパク質の二次元結晶化を利用してナノ粒子の二次元配列化といった例がある。本研究では、ウイルスを鋳型とした3次元配列化を目指した。幾つかのウイルスでは、タンパク質のみでも自己集合し、ウイルス様微粒子(VLP)を形成することが知られている。本研究で用いるウイルスは、ポリオーマウイルス属JCウイルスであり、実際に鋳型とするのは、このJCウイルスのタンパク質VP1のみが自己集合したVLPである。ウイルスタンパク質(VP1)をコードしたプラスミドを大腸菌(BL21株)に導入し、VP1を発現させた。密度勾配遠心法によって大腸菌内で形成したVLPを精製した。このVLPの重要な性質は、VP1タンパク質がシアル酸といわれる糖鎖を認識するという点である。そこでシアル酸提示金ナノ粒子を合成し、VLPに添加することで金微粒子をウイルス表層に配列させるアプローチを行った。金ナノ微粒子にシアル酸を提示させるために、シアル酸を親水基にもつチオール型の脂質を化学合成した。シアル酸の付加はシアリルトランスフェラーゼを用いた酵素反応で行い、最終生成物はゲル濾過クロマトグラフィーにより精製した。シアル酸提示金ナノ粒子とウイルス様微粒子を混合し、エネルギーフィルター内蔵透過型電子顕微鏡(TEM)により金ナノ微粒子の集合状態を観察した。シアル酸を提示させることでVLP表層に金微粒子が結合しており、一部規則的に配列化させることに成功した。今後これらのデータを基盤として、3次元規則配列化と応用を目指す。
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Research Products
(9 results)