2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞を用いる糖鎖生産とEGFRリン酸化阻害剤の開発
Project/Area Number |
19655060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (70167584)
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Keywords | 動物細胞 / 糖脂質 / GM3 / EGFR / 細胞毒性 / 細胞増殖阻害 / 国際情報交換 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
動物細胞を糖鎖生産工場と見立てて糖脂質の類似体を合成するバイオコンビナトリアル合成法を用いた糖脂質GM3(NeuAca2-3Galβ1-4Glcβ1-Cer)類似体の生産における最適条件を詳細に検討した。アルキル鎖の根元にアジド基を導入した糖鎖プライマーは他のプライマーと比べて約2倍糖鎖伸長を受けやすいことが明らかとなったが、プライマーの界面活性能を測定することによりこの理由も明らかにした。また、播種細胞数依存性、プライマー濃度依存性、培養時間依存性についても明確な依存性を確認し、最適条件を決定した。さらに、検討した最適条件を用いてのGM3類似体の大量合成と、生成物の分離精製方法も検討した。次に、GM3とepidermal growth factor receptor(EGFR)の相互作用や細胞における外因性/内在性GM3について検証した。GM3とEGFRの相互作用の機序を、共焦点レーザー顕微鏡による画像解析など様々な手法により明らかにした。さらに、GM3の代謝中間体であるlyso-GM3のオリゴマー化、合成された化合物のキナーゼ活性への阻害効果や細胞毒性を評価した。EGFRを高発現しているA431細胞に各化合物を様々な濃度で添加したところ、lyso-GM3 dimerに高いチロシンキナーゼ活性阻害能が見出された。大量合成の可能性が示されたGM3類似体(lyso-GM3 mimetic)を応用して同様な機能性糖鎖含有分子の合成を行い、それらがEGFRの関係する生理現象に及ぼす作用を検証した。A431細胞にこれらの各々の化合物を投与し、糖鎖伸長したプライマーを応用した新規化合物であるmimetic dimerに天然型であるlyso-GM3 dimerと同様のEGFRのチロシンリン酸化阻害能があることを示した。さらに、EGFRシグナリングの下流にあたるAktや細胞増殖も抑制することを明らかにした。EGFRとGM3の直接的相互作用を、SPR法を用いて詳細に解析した。結合定数やkinetics parameterの解析により、EGFRと糖脂質の相互作用が特異的であることを発見した。
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Research Products
(3 results)