2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞のガン化抑制に必要なテロメア核酸とテロメラーゼタンパク質の新規制御法の開発
Project/Area Number |
19655064
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
杉本 直己 Konan University, 理工学部, 教授 (60206430)
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Keywords | テロメア / 分子クラウディング / テロメラーゼ / 熱力学的安定性 / がん / 老化 / 二重鎖鎖構造 / 四重鎖構造 |
Research Abstract |
本研究では、細胞のがん化や加齢に関与することが知られているテロメアをはじめとする様々な核酸の構造と熱力学的安定性を検討した。特に、核酸の構造と熱力学的安定性を希薄条件下(試験管内環境下)と分子クラウディング条件下(擬似細胞環境下)で検討することで、細胞内環境下における核酸の構造や安定性を予見しうるシステムを構築することを第一の目的とした。さらに、得られたエネルギーデータをデータライブラリー化することで、テロメア核酸の構造や熱力学的安定性を細胞内環境因子などで制御するための指針を見出し、これを用いて、テロメア核酸を伸長するテロメラーゼタンパク質の機能を制御することを最終的な目的とした。種々の高次構造を形成できる核酸鎖を設計し、その構造と熱力学的安定性に及ぼす分子クラウディングの効果を検討したところ、細胞内環境をはじめとする非均一環境下における核酸の分子物性を予測するために必要な熱力学的、速度論的諸量を得ることができた。さらに、得られた知見をもとに、核酸の構造と熱力学的安定性を実際に合目的的に制御することで、当初の目的であったテロメラーゼのみならず、セントラルドグマの制御にかかわるポリメラーゼやヌクレアーゼの機能制御を合目的的に行うこともできた。このように本研究では、研究当初の目的を超える成果を得ることができた。細胞内環境における細胞内においてテロメラーゼの挙動解明するために必要な本研究成果は、加齢やがんなどに対する新しい医薬品の開発や幹細胞の樹立の高効率化などにもつながると期待される。
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[Journal Article] Conformation and the sodium ion condensation on DNA and RNA structures in the presence of a neutral cosolute as a mimic of the intracellular media2008
Author(s)
S. Nakano, L. Wu, H. Oka, H. T. Karimata, T. Kirihata, Y. Sato, S. Fujii, H. Sakai, M. Kuwahara, H. Sawai, N. Sugimoto
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Journal Title
Mol. BioSyst. (Emerging Investigators issue) 4
Pages: 579-588
Peer Reviewed
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[Presentation] DNA and RNA structures in the presence of a neutral cosolute2008
Author(s)
中野修一, Lei Wu, 岡裕人, 狩俣寿枝, 桐畑俊正, 佐藤雄一, 藤井敏司, 酒井宏, 桑原正靖, 澤井宏明, 杉本直己
Organizer
Gordon Research Conference (Nucleic Acids)
Place of Presentation
Newport(アメリカ)
Year and Date
20080600
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