2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19655068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺尾 潤 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (00322173)
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Keywords | 被覆共役ポリマー / ロタキサン / クロスカップリング反応 / 包接 / シクロデキストリン / π共役分子 |
Research Abstract |
本研究では、合成の簡便さおよび高被覆率の達成を目指し、二つのメチル化シクロデキストリンが連結したπ共役分子の分子内自己包接によって生成する擬ロタキサン型の被覆モノマーを重合することにより、高い被覆率、溶解性および構造規則性を有する被覆共役ポリマーの合成に成功した。ジヨードヒドロキノンとメチル化α-CDモノトシル体との反応により二つのCDを有するジヨードベンゼン誘導体を合成した。次に、この化合物とフェニルアセチレン誘導体との薗頭カップリング反応によって共役鎖を伸長させロタキサン誘導体を合成した。続いて、トリメチルシリル基の脱保護により両末端に重合反応点としてエチニル基を有するCD連結型オリゴフェニレンエチニレン誘導体を高い収率で合成した。次に、メタノール/水=1:1中、生成した擬ロタキサンをHayカップリング条件下、末端アセチレン部位の酸化的ホモカップリングによって重合させることにより、平均分子量約6万、平均重合度n=20の重合体を得ることに成功した。得られた被覆共役ポリマーの固体状態での蛍光量子収率は、有機溶媒のみを用いた非水系反応条件下で重合することによって得られる非包接型の共役ポリマーの量子収率と比較して大きく改善されたことから、分子間相互作用が低減したことによる顕著な被覆効果が得られたと考えられる。分取SECにより高分子量成分のみを精製し(Mw=2.3×105, n=84, PDI=1.1,平均分子長=200nm)、この溶液をマイカ基板上にキャストしAFM測定を行ったところ、長さ200nmの剛直なポリマー鎖を観察することに成功した。
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Research Products
(4 results)