2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19655074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 淳夫 Tokyo Institute of Technology, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30359690)
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Keywords | 窒化物 / 遷移金属 / 水素吸蔵 / リチウム電池 / 負極 |
Research Abstract |
様々な3d遷移金属を含有する窒化リチウムは、リチウム二次電池の負極として機能することが知られている。特に、Li_<2.6>Co_<0.4>Nにおいて優れた負極特性が報告されており、Coより安価で豊富に存在する鉄やマンガンを用いることができれば低コストかつ高容量な負極材料の実現が期待できる。 昨年度は、温度プロファイルと雰囲気制御を連動させることで、これまでにない簡便かつ低温でのLi_<3-x>Fe_xNの直接固相合成に初めて成功した。昇温時に金属鉄の生成を抑制するために窒素気流を採用し、600度付近の生成時には低価数の鉄を安定化するためにアルゴンガスを採用することが有効であった。この合成法について特許出願準備中である。 本年度は、この新規合成法により合成したLi_<3-x>Fe_xNについて、Feの固溶量と電極特性の相関を追跡し、Feの固溶に伴う大きな可逆容量の出現と最適な鉄ドープ量がx=0.2-0.3付近であることを確認した。充放電中の構造変化、電子状態変化についても調査を行ったところ、初期充電中にアモルファス化が進行し、その後はその状態で可逆的な充放電が行われることや、鉄の価数変化だけでは大きな可逆容量が説明できないこと、などが愛らかになった。。 さらに、Li_<3-x>Mn_xNの合成を同様な方法で試みたところ、やはり低温での直接固相合成が可能であることがわかった。しかし、x=0.66付近の組成の試料のみが選択的に得られることから、リチウムの周囲にマンガンが6個配位した形の超構造を取って安定化している可能性が示唆された。負極特性も発現するが、Li_<3-x>Fe_xN系に比べると容量はかなり小さい。単一相を得るための合成条件の抽出と、結晶構造の精密化を進めている。
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