2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19655080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 裕之 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (90343235)
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Keywords | 単一高分子鎖 / 単一分子 / 蛍光顕微鏡 / 高分子薄膜 / 表面・界面 / 蛍光プローブ法 / 分子運動 / 回転緩和 |
Research Abstract |
本研究は高分子鎖に色素分子を導入し、個々の高分子鎖を蛍光顕微鏡によりデフォーカス条件下にて観察することで、鎖の位置および配向状態の時間変化を実時間で追跡し、高分子のダイナミクスを分子レベルで評価することを目的としている。本年度は単一分子計測のための(1)計測システムの構築および(2)試料合成について行った。 (1)単一色素分子の配向角を同定するデフォーカス観察においては、ナノメートルの精度で焦点制御を行う必要がある。ピエゾアクチュエータによる対物レンズ駆動機構および近赤外レーザーを用いた焦点維持機構を導入することで高精度に単一分子観察を行うことを可能にした。実験により得られた単一色素分子のデフォーカス条件下における蛍光画像と理論計算によって得られるパターンとを比較することにより、位置については精度<10nm、配向角についてはく5度の精度で単一分子の状態を計測することに成功した。また温度可変ステージを導入することで、10〜60℃で試料温度を制御することができた。 (2)高分子鎖に導入する色素分子として高い吸光係数と発光量子収率を有するペリレンジイミド(PDI)を選択した。ペリレンテトラカルボン酸無水物と種々の官能基を有するアミンとの反応によりPDIを有する一官能性および二官能性重合開始剤を合成した。これらの開始剤よりリビングラジカル重合を行うことにより、鎖末端あるいは鎖中央セグメントのみにただ一つの色素分子を有する高分子鎖の合成を行うことができた。モノマーとしては様々なメタクリレート系モノマーが重合可能であり、ガラス転移点の異なる種々の高分子試料を得た。
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Research Products
(12 results)