2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19655084
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
工藤 宏人 Kanagawa University, 工学部, 助教 (30343635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西久保 忠臣 神奈川大学, 工学部, 教授 (20120967)
|
Keywords | 超分子 / 包接 / 屈折率変化 / 高屈折率 / 合成 / クラウンエーテル / ポリマー / 機能性ポリマー |
Research Abstract |
1-アザ-18-クラウン-6-エーテル(18-C-6)骨格を有するポリマーを合成し、そのポリマーにカリウム塩を包接させることにより、高屈折率化の可能性について検討した。目的のポリマーは、18-C-6部位を有するスチレン誘導体およびメチルメタクリレート誘導体を合成し、そのラジカル重合により合成した。得られたポリマーは溶解性、製膜性とも優れた特性を有することが判明した。さらに、カリウム塩として、ヨウカカリウム(KI)、プロモカリウム(KBr)、クロロカリウム(KCl)を用いて行った。その結果、すべてのカリウム塩はポリマーに包接され、屈折率は1.64まで高くなることが判明し、KI, KBr, KClの順に高いことが判明した。このことは、ヨウ素が最も分子屈折率が高く、次にブロモ、塩素の順番に低くなることと一致した。すなわち、カリウム金属イオンが包接されることで、カウンターアニオンがポリマーに取り込まれたことが判明した。予想では、KIが包接された場合、屈折率は1.8以上は可能であると考えていたが、予想に反して、屈折率が低かったのは、包接率が高くなると、ポリマーの溶解性が減少することが明らかとなった。よって、18-C-6骨格を有するオリゴマーを合成し、同様に包接前後の屈折率の上昇率について検討した結果、製膜牲は優れていたが、屈折率の上昇は1.6程度までであることが判明した。このことは、薄膜中において、18-C-6部位の密度が低かったと考えられる。以上のように、18-C-6部位にカリウム金属イオンが包接されて屈折率が上昇することが判明した。今後は、ポリマーの骨格を変更し、さらに様々な金属イオンの包接能について検討することで、高屈折率材料が合成されると考えられる。
|
Research Products
(5 results)