2007 Fiscal Year Annual Research Report
スピン注入による半導体スピンホール効果の電気的検出
Project/Area Number |
19656003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新田 淳作 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (00393778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好田 誠 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00420000)
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Keywords | 垂直磁気異方性 / FePt / スピン注入 / スピン軌道相互作用 / スピン素子 / スピン検出 |
Research Abstract |
室温動作スピン機能デバイスを実現するためには強磁性金属・半導体ハイブリッド構造が必要不可欠な基盤技術となる。垂直磁気異方性を有する磁性体金属FePtからスピン軌道相互作用を有する半導体へのスピン注入を実現するべく、GaAs及びInP上へのFePt/MgOの薄膜成長を行った。その結果、GaAs、InP双方の基板において面直異方性を有するFePt薄膜が実現できた。さらにGaAs基板上に成長したFePtの残留磁化比は0.75となりInP基板上(0.25)より3倍程度高いことを示した。金属・半導体接合を用いた高効率電気的スピン注入を実現するにはMgOトンネル接合の構造最適化が重要であると同時に、FePtの垂直磁気異方性が保持できるMgO膜厚の探索が必要となる。そこでFePtを5nmに固定しMgO膜厚を3、5、7nmと変化させた場合のFePt磁化特性を評価した。残留磁化比はMgO膜厚にかかわらず0.7-0.8が得られゼロ磁場におけるスピン注入に適した磁気特性であることを示した。また、MgO膜厚が3nmにおける長距離規則度Sは0.79となりL1_0構造を有するFePtがGaAs基板上のMg0 3nmに形成可能であることを明らかにした。 GaAs基板上への強磁性金属薄膜形成が実現可能となったことから、GaAs/AlGaAsヘテロ接合におけるスピン軌道相互作用の評価を行った。磁気輸送測定における弱反局在解析よりスピン軌道相互作用を見積もったところ1.5×10^<-12>eVmであることが分かった。さらにゲート電極付ホール素子を作製し、スピン軌道相互作用のゲート電界制御を行ったところ、ゲート電圧増大に伴い、スピン軌道相互作用パラメータαが単調減少したことから、GaAs/AlGaAsヘテロ接合においてもRashbaスピン軌道相互作用のゲート電界制御が可能であることを示した。
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Research Products
(11 results)