2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656008
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
種村 眞幸 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (30236715)
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Keywords | ナノエネルギー材 / 熱電材料 / ナノ材料 / ナノワイヤー / イオン衝撃 / ケイ素(Si) / ゲルマニウム(Ge) / ナノ構造 |
Research Abstract |
化石燃料に頼るエネルギー供給は今や転換期を迎えており、次世代を担うクリーンエネルギーの創出は焦眉の急である。本研究は、ナノ熱電材料の新たな低温合成法の確立を目指し企画された。固体表面に低速イオンを照射し、表面原子をはぎ取るスパッタリングは、一般的には破壊過程として知られる。しかしながら、イオン照射時に、新たな元素を極少量連続的に供給することで、破壊過程に「成長過程」が加味され、ナノ材料合成法、ナノ構造形成法としての利用が可能である。本研究では、このイオン照射法を用い、熱電材料として知られるSi-Ge合金のナノワイヤーアレイ(NWA)を始めとする、種々の1次元NWAを作製する技術を確立し、物性データの蓄積を図る。 1) Si-Ge系ナノワイヤーアレイ(NWA)最適合成条件の確立:まずGeについてNWAの合成を行い、同種元素供給による種々のナノ構造体の低温形成、および、異種元素触媒粒子供給による、短いながらも、針状突起先端へのナノワイヤー(NW)の低温形成が可能であることを実証した。また、形成されるナノ構造体の触媒種依存性についても明らかにすることができた。 2) その他の1次元熱電材料の探索:昨年度得られた超高密度NWAについて、その合成パラメータを最適化すると共に、試料の初期の結晶学的特徴と形成されるNWAのサイズ、密度に関する定量的な知見を得ることができた。 3) 1次元材料特性解析装置の開発:イオン照射法によるカーボンナノファイバー(CNF)探針作製技術を基礎に、熱電対機能付きナノ探針作製の要素技術開発を行い、三角錐状の探針側面に金属コート(3面のうちの1面にコート)された探針先端へのCNF形成を実現し、熱起電力を取り出すための回路形成に道を拓くことができた。
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