2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656012
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉木 幸一朗 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70143394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 進 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (20401234)
|
Keywords | グラフェン / カーボンナノウォール / 化学気相成長 / エッジ状態 / ジグザグ端 / 走査トンネル顕徴鏡 / モアレ縞 / 仕事関数 |
Research Abstract |
A.ナノグラフェンの作製と磁性起源の研究 白金基板上ヘベンゼンを暴露吸着し,高温アニールによって成長したナノグラフェンの走査トンネル顕微鏡(STM)観察をおこなった.観察されたモワレ縞から求めた白金およびグラフェンの格子の位置関係の不定さから,両者の相互関係が弱いことを見出した.詳細なグラフェン端の原子像観察から,本来不安定なジグザグ端が70%以上の頻度で現れることを見出した.また,トンネル電流のバイアス依存性から,ジグザグ端においてフェルミ面近傍に高い状態密度が現れることがわかった.高分解能電子線エネルギー損失分光(HREELS)によりエッジへの吸着種は-H(sp^2)と-H_2(sp^3)の状態が混在することが明らかになった. B.カーボンナノウォールの作製と磁性起源の探究 グラフェンのシートが基板に垂直に立つカーボンナノウォール(以下ナノウォール;CNW)の種々の基板上への成長条件を探索した.その結果,Cu, Si, HOPGなど対称性,化学結合の異なる基板上へ成長が観測されるが,基板の伝導度が成長速度に影響を与えることを見出した.光電子分光による仕事関数評価の結果,sp^2面が完全に平面なHOPGに比べてCNWは仕事関数が大きいことがわかった.これはsp^2面の湾曲によってπ軌道にσ軌道成分が混入することによると考えられる.CNW試料の表面磁気光学カー効果(SMOKE)測定をおこなったが,現在までのところ磁気秩序発現の証左は得られていない.
|