2007 Fiscal Year Annual Research Report
モノサイクル域光渦による回転加速度系の創出とその新規全光スイッチへの応用
Project/Area Number |
19656014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 隆二 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (30222350)
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Keywords | 光渦 / ラゲールガウシアンビーム / グイ位相 / モノサイクル光パルス / 空間チャープ / 軸対称偏光 / 超広帯域光パルス / 偏光分布 |
Research Abstract |
本研究は、申請者らが現在までに独自に開発したモノサイクル域光パルス(光の振動周期とパルス幅が同程度の光パルス)発生・制御技術を「巨大加速度を発生させる手法」としてとらえること、ならびにスピン角運動量(偏光に対応)だけではなく新たなパラメータである軌道角運動量(光の位相がビーム断面内方位角に依存することに対応)を制御した光である「光渦(optical vortex)」という概念と結合させることを目的としている。 本年度は、モノサイクル域光渦パルスの発生を目指して、以下の無分散光渦パルスの発生実験、高出力軸対称偏光レーザーの開発を行った。 1.従来法では、超広帯域光渦パルスを発生させると、空間分散が生じる、すべての周波数帯域においてトポロジカルチャージがそろわない、といった問題が生じる。これら問題を克服する手法として、軸対称偏光板を用い、空間的に偏光特異性をもつビームを発生させることによる、独自の無分散光渦パルス発生法を考案した。また、本手法による超広帯域光渦パルス発生実験を行い、その有効性を実験的に検証した。 2.高出力光渦パルスの発生をめざし、共振器内にフォトニック結晶軸対称偏光ミラーを導入した半導体レーザー横方向励起バウンス型Nd:YVO_4レーザーを作製した。その結果、現在は連続発振ではあるが、Nd:YVO_4レーザーからの直接出力として世界最高出力である6Wの軸対称偏光ビーム発生に成功している。また、共振器内偏光分布ダイナミクスに関する議論も行っている。
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