2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
湯上 浩雄 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (60192803)
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Keywords | 表面・界面物性 / マイクロ・ナノデバイス / 先端機能デバイス / エネルギー / 反応・分離工学 |
Research Abstract |
本研究のキーテクノロジーは、炭化水素の水蒸気改質による水素収量を向上させるために、炭化水素のC-H振動準位を選択的に励起させるための熱放射スペクトル制御構造体を開発することにある。炭化水素系の水蒸気改質による水素生成に関する検討を行うのに必要なパラメータとして考えられるのは、反応温度、炭化水素鎖長、炭化水素と水の物質量比、ガス流量、周期構造の周期や開口距離や深さ、周期構造体(選択エミッター)の材料等が挙げられる。初年度はまず、熱電対や放射温度計、温調器を用いて温度制御の調整を行い、実験において得られる測定値の誤差を小さくするために装置の改良を行った。特に熱電対の位置によって得られるガス温度が異なってしまうことがわかり、ガス温度を正しく求めることに注力した。さらに改質後のガス成分をより詳しく調べるために、従来では水素、酸素、窒素、メタンにのみ定量性があったものを装置まわりの改良を行うことで、二酸化炭素や一酸化炭素に対しても定量化が可能となった。このことで、改質に関するより詳しい考察ができるようになった。また、選択エミッターによる熱放射の影響だけでなくヒーター周辺の温度による改質への影響が実験結果から示唆されたため、エミッターやヒーター周りへのガス流入について検討を行うことでこの問題を改善することを試みた。さらに、より効率的な改質をめざすためには、エミッターと流路の高さについても新たに検討する必要性があることがわかった。また、本年度は日本太陽エネルギー学会、日本風力エネルギー学会合同研究発表会において奨励賞を受賞した(タイトル:周期的表面微細構造による自立熱応答材料の熱放射制御)。
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