2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
枝川 圭一 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (20223654)
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Keywords | フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / ダイヤモンド構造 |
Research Abstract |
平成19年度は18年度に引き続き、3次元フォトニックバンドヤッフ(3D-PBG)を示すフォトニック準結晶構造の数値計による探索を行った。ここではまず典型的な3次元準結晶格子である3次元ペンローズ格子の各格子点間を誘電体ロッドで結んだ構造を作成し、そのロッドをある割合で間引いて配位数を調整した。ほぼすべての格子点の配位数が4となるようにロッドを間引いた場合に最も大きな3D-PBGが形成することがわかった。従来のフォトニック結晶の場合、配位数4のダイヤモンド結晶構造が最も大きな3D-PBGを形成することが知られている。フォトニック準結晶においてもこの配位数が3D-PBG形成に最も有利となることが明らかになった。このことは、結晶の周期性や準結晶の準周期性などの長距離秩序は3D-PBG形成に本質的に重要でなく、ネットワークの連結点の配位数のみが重要である可能性を示唆している。そこで新たに長距離秩序を全くもたない配位数4のランダムネットワーク構造(これをフォトニック・アモルファス・ダイヤモンド(PAD)と名付けた。)について数値計算により3D-PBG形成の有無を調べたところ、明確な3D-PBGができることがわかった。これは従来の常識を破る発見であり、この成果(Edagawa et al.,Phys.Rev.Lett.100,013901(2008))はアメリカ物理学会の一般向け雑誌Physics Todayに紹介され、さらに毎日新聞、日経産業新聞、科学新聞、日経ものづくり、など多くの新聞、雑誌に紹介された。この発見を受けて、当初計画していた欠陥を含むフォトニック準結晶の作製とマイクロ波透過測定による共振器の性能評価の実験を取りやめて、新たに発見したPADの基本性能を明らかにする数値計算を行った。これによりPADの3D-PBGが誘電体ロッド長さの乱れやロッド問角度の乱れにあまり影響されないことが明らかになった。このことは将来この構造を光波帯で作製する場合重要となる。
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Research Products
(5 results)