2008 Fiscal Year Annual Research Report
強加工マグネシウム合金の降伏現象発現メカニズムの解析
Project/Area Number |
19656032
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 勝義 Osaka University, 接合科学研究所, 教授 (50345138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹川 正 大阪大学, 接合科学研究所, 特任研究員 (10345168)
今井 久志 大阪大学, 接合科学研究所, 特任研究員 (30452379)
|
Keywords | 降伏応力 / 集合組織 / 強塑性加工 / マグネシウム / 異方性 |
Research Abstract |
H19年度の研究成果として,Mg合金粉末に対して強加工を付与した後,押出加工を施すことにより1〜2ミクロン単位の均質な微細結晶粒の形成に加えて,結晶配向性の無秩序化による強度特性の異方性解消の可能性を示した.その過程で平均シュミット因子が強加工量に強く依存し,それにより擬似的な降伏現象を伴って耐力が著しく増大(70〜90%)することを明らかにした.そこで,これらの結果に基づき,局所的に結晶粒の微細化と配向性緩和を実現すべく,Mg素地中に微細なチタン(Ti)粒子を分散させた状態で押出加工を付与し,Ti粒子周辺での加工歪の集積による微細な動的再結晶組織形成と底面配向性の低下を行った.それぞれの特性は押出加工比を変えることで制御できることから押出比を25〜90とし,各素材における引張強度特性を調査した.その結果,押出加工比の増加に伴い,上述した擬似降伏現象が明確に現れ,同時に耐力が40〜65%程度増加(引張強さは10〜20%程度増大).さらに,この現象を検証すべく,急冷凝固法で作製した微細結晶粒組織と無秩序な集合組織を有するMg合金粉末を準備し,熱間押出加工により固化した後,引張強度特性を評価した.その際,熱処理条件を変更することで平均結晶粒径を0.5〜48ミクロンの範囲とした.その結果,平均シュミット因子はいずれの素材でもほぼ0.18〜0.21で顕著な差異はなかったが,耐力に関してはHall-Petch経験式に即しており, S-S曲線においても擬似降伏現象がいずれにおいても確認された.またSEM/TEM観察により全ての押出材において100〜200nmのAl-Ca系金属間化合物微粒子がα-Mg結晶粒界に点在し,これが粒界すべりを抑制した結果,上記のような降伏現象が発現したものと考える.
|
Research Products
(5 results)