2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656038
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
國枝 正典 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90178012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏 恒 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40345335)
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Keywords | 放電加工 / 異方性 / 微細加工 / 熱伝導率 / 単結晶材料 / 単結晶シリコン / 低消耗加工 |
Research Abstract |
単結晶シリコンの放電加工において、加工速度の結晶方位依存性が存在することを実験的に明らかにした。この異方性は微細放電加工用のRC放電回路を用いて、浮遊容量のみで加工した場合においてのみ観測された。加工速度は<111>、<110>、<100>方位の順番に大きかった。そこで、{111}面、{110}面、{100}面上に形成される放電痕を測定したところ、同じ順番で放電痕が大きいことが分かった。一方、熱伝導率を測定し、<100>、<110>、<111>方位の順番に高いことが分かった。これにより、加工速度の異方性が熱伝導率の異方性に起因すると考えられる。また、単結晶タングステンについても加工速度の結晶方位依存性を調べ、加工速度は<100>、<110>方位の順に大きく、単結晶シリコンとは逆であった。この異方性は単結晶シリコンの場合と同様に、RC放電回路で得られる最も小さい放電エネルギーの条件下でのみ出現した。さらに、同じ熱的な加工であるレーザ加工においても加工速度の結晶方位依存性を調べた。エキシマレーザを1J/cm^2程度の低いフルエンスで単結晶シリコンに照射したところ、{111}面、{110}面、{100}面の順に加工速度が大きく、放電加工の場合と傾向が一致した。これは、加工速度の異方性が単結晶材料の電気的な物性値よりも熱的な物性値の影響を受けて現れていることを示している。したがって、熱伝導率の異方性が原因である可能性が高いことが分かった。
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Research Products
(2 results)