2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブル照射を用いた表面のテキスチャリングと改質による低摩擦摺動面の創製
Project/Area Number |
19656043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (40115291)
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Keywords | トライボロジー / 表面創製 / マイクロバブル / 摩擦・摩耗 / 表面改質 |
Research Abstract |
現在用いられている機械加工、ブラストピーニングなどと比べて優位な手法として、表面にキャビテーションによるバブルを照射し加工する方法の可能性を検証するため、以下の萌芽的研究を実施した。 (1)マイクロバブルの発生装置の設計・製作 水共振システム(WRS)による超音波発生装置を設計・製作した。装置は、超音波の強度を制御するFM(周波数変動)発振モードを装備した超音波発振器、試料ステージの昇降装置を有する実験水槽から構成されている。共振周波数は38kHz±0.5〜3.5kHzである。水槽内には、振動板から放射される入射波と液面からの反射波とが重なり強め合う場所(定在波)ができる。定在波(圧力の山の部分)の位置とキャビテーションの発生の様子を、アルミ箔の損傷を用いた観察、バブルの目視観察等から調べ、マイクロバブル発生の最適位置の選定を試行した。 (2)マイクロバブル照射面の表面形状測定 鏡面研磨した純銅を試料ステージに固定し、上記で得られた水中の最適位置に設置して表面にマイクロバブルを照射した。表面を、主としてカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて観察した。1回の衝撃圧力の作用によって微小なくぼみの形成が観察された。その直径と深さ及びそれらの比(アスペクト比)は従来の磁歪振動装置によるそれらとは異なることを見出した。このような観察・測定から、WSR超音波発生装置による衝撃圧力は、表面に壊食を発生させる磁歪振動法に比べて弱いことがわかった。 以上の結果から、本研究の目的の実現にとって、試作したWRS超音波発生装置は有用であるとの結論を得た。
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