2008 Fiscal Year Annual Research Report
微小粒子が界面に吸着したアーマードバブルのダイナミクス
Project/Area Number |
19656049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏嗣 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90171777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 拓也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90379123)
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Keywords | アーマードバブル / 加飽和析出法 / マイクロバブル / 自己組織化 / 粒子膜 / カプセル |
Research Abstract |
本年度は主に1)アーマードバブル(AB)の新しい生成手法の提案,2)ABの特性評価の2つを実施した.結果の概要を以下に示す. 1.ABの新しい生成法の開発:気液界面への微粒子吸着過程の観察実験および文献調査の結果から,吸着には粒子表面の濡れ特性と,気液界面と粒子の表面電位特性が重要であることがわかった.疎水表面を持つ粒子については,気液界面-粒子間に静電反発力が働く場合においても,そのポテンシャルを超えるだけのエネルギーを,粒子もしくは気液界面に与えることができれば,吸着が行われることがわかった。これを受けて本年度は,短時間で大量にABを発生させる手法の提案を行った.マイクロバブルの発生方法として知られる過飽和析出法に,超音波照射による気泡の振動を組み合わせ,これによりABの生成を試みた.実際に実験装置を作成して行った実証実験より.気液界面・粒子表面の電位特性は,溶液のPhに依存して変化するが,提案手法を用いることにより,Phに依存することなくABが生成できることを確認した.また,点や線状の欠陥は確認されるものの,吸着粒子は気液界面において,ほぼ最密構造となっていることが確認された. 2.ABの特性評価:実際に作成したABを静止流体中に放置し,経時観察することにより,気泡の寿命計測を行った.初期気泡径に依存するものの,ABは数日レベルで安定して存在できることがわかった.また,静止流体中の気泡の上昇速度から流体抵抗力を求める計測系を構築し,実際に計測を行った.レイノルズ数がある程度大きいと,流体抵抗は吸着粒子サイズに依存せず,従来知られているコンタミがある場合のものにほぼ一致するが,レイノルズ数が小さくなると,吸着粒子サイズが大きいものについては,コンタミ有りのものに比べて抵抗が小さくなり,逆に小さいものについては,流体抵抗が若干大きくなる傾向を得た.
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Research Products
(2 results)