2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松久 寛 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (00109034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇津野 秀夫 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00362442)
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Keywords | コリオリの力 / ゴンドラ / 揺れ / 動吸振器 / ロープウエー |
Research Abstract |
周期が一定でない索道に吊り下げられたゴンドラを想定し,その揺れを低減するコリオリの力を利用する制振システムの動作アルゴリズムおよび実験システムを作成した.揺れ角度を測定し,ゴンドラが0度を通過するときに吸振器の錘の上方への移動を開始する制御アルゴリズムを採用した.移動速度が速い場合は,最適である0度の前から移動する場合と制振性能はほとんど変わらないことがわかった. クレーンに関しては,制振装置がワイヤー上にあるためにコリオリカによって,ワイヤーが折れ曲がる現象が生じる.そこで,円筒状の錘を用いて,ワイヤー上を上下する制振装置を開発した.解析モデルとしては,2重振子とみなして,その腕の長さが時々刻々変化するとした.解析および実験で,制振効果を確認した. 吊荷のねじり振動に関しては,余分な力やモーメントを発生させないために,水平方向に動く二つの錘をつるべのように滑車を介したワイヤーで連結し,錘は中心より対称に動く実験装置を製作した.また,この機構は静的な傾きにより錘が動くことを防ぎ,ねじり振動にのみ反応することができる.このつるべ式コリオリ吸振器によるワイヤロープのねじり振動の制振の理論解析ならびに実験を行った.両者とも所定の制振効果が得られた. 本研究でコリオリの力を利用した制振の可能性は実証された.しかし,その制振性能は従来の動吸振器と比較すると低い.これは,コリオリの力が主系の揺れの角速度と錘の速度の積に比例するという非線形性に依存する.しかし,主系の減衰がほとんどなく,他に制振法がない場合は共振振幅を下げるという意味においては有効である.
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