2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機機能性材料を用いた新たな論理演算デバイスの開発
Project/Area Number |
19656078
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 謙司 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (20303860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑島 修一郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (80397588)
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Keywords | 有機薄膜 / 論理演算 / ロジック / 分極 |
Research Abstract |
本研究は、強誘電性有機分子の多層膜構造を活用した演算デバイスの可能性を探り、有機強誘電体の分極反転量や分極ダイナミクスを制御することで、有機材料を用いた新たなロジックデバイスの基本概念を獲得を目指すものである。強誘電性分子としてビニリデンフルオライド(VDF)オリゴマーを用い、論理セルとなる石英/A1/VDF(第1層)/A1/VDF(第2層)/A1の強誘電体多層膜構造を形成した。強誘電体第1層、第2層におけるD-Eヒステリシスを測定したところ、明瞭な分極スイッチング電流、矩形的なD-E曲線が各層において観測された。多層膜形態でのVDFオリゴマー材料の強誘電特性の取得に成功し、各セル独自の分極制御が可能であることを確認した。論理演算は、多層化した各強誘電体層内の分極方向を制御し、上下電極から入力電圧信号を印加することで出力電圧を中間電極から取り出した。入力信号に対する分極応答性を明らかとするため、抗電界前後(つまり入力1,0)の電圧入力に対する分極反転電荷の時間依存性を観測した。分極反転に対応して分極電荷量の明確な変化が観測されると共に、0,1の判定基準をQ=118nCにて行うと強誘電体多層膜の第1層、第2層が共に分極反転する(1,1)において出力1(=2Q)、それ以外の組み合わせでは0となり、AND動作を確認した。この様に有極性分子の多層膜素子の分極電荷変化から論理ゲートとしての基本動作検証に成功した。
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Research Products
(5 results)