2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656081
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304020)
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Keywords | フォトニック結晶 / コレステリック液晶 / 表面プラズモン / コレステリックブルー相 |
Research Abstract |
金属表面に局在した自由電子の波である表面プラズモンは、可視からテラヘルツまで広範囲の電磁波(光)と結合し、表面プラズモンポラリトンとして伝搬する。特に、光の波長以下の微小開口の異常透過は、様々な応用の可能性から注目されている。すなわち、一般に、光は、波長以下の大きさの微小な穴からは近接場光としてしみ出すだけで、透過しない。しかしながら、金属膜表面に光の波長程度の凹凸などの周期構造を作製すると、その表面に誘起された表面プラズモンの共鳴効果により、微小穴からのエバネッセント波が増強され、極めて高い光の透過が実現される。しかも、この共鳴現象は表面構造等で決まるある特定の波長の光について起こるため、その波長の光のみが透過される。この表面プラズモンに対する周期構造は、光に対するフォトニック結晶との類似性からプラズモニック結晶と呼ばれて注目されている。本研究では、プラズモニック結晶の特性、すなわち、プラズモン共鳴あるいは近接場との結合強度などを電界、光などによって制御可能なチューナブル・プラズモニック結晶を提案し、その特性ならびに応用の可能性を検討した。まず初めに、プラズモニック結晶の特性が金属周期構造と隣接する媒質の特性(誘電率、導電率など)によってどの様な影響を受けるのかを時間領域差分法を用いて理論的に解析し、プラズモニックバンド構造の制御に適した素子構造設計を行った。金属ナノ微粒子を三次元上に周期的に分布した系を構築するために、コレステリックブルー相の利用を検討した。特に、広い温度範囲で安定にコレステリックブルー相を呈する系の検討を行い、液晶浸透高分子ネットワーク構造がその構造表面でのピン止め効果により、ブルー相の温度拡大に寄与していることを明らかにした。
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