2007 Fiscal Year Annual Research Report
希土類添加半導体を基盤とした光ナノ共振品の作製と発光特性の評価
Project/Area Number |
19656082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 康文 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (10181421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 慶和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90360049)
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Keywords | 希土類元素 / 光ナノ共振器 / 秩序制御 / フォトニック結晶 / 発光機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は「電流注入による希土類発光準位を介する誘導放出」を用いた波長超安定新規半導体レーザの実現に向けて、未だ着手されていない「希土類添加半導体」と「フォトニック結晶」の組み合わせを取り上げ、フォトニック結晶により形成された高フォトン場に置かれた希土類イオンの光学的振る舞いを明らかにすることにある。具体的には、Er原子局所構造がEr-2O配置に秩序制御され、世界最高のEr発光輝度を示すEr,O共添加GaAs(GaAs:Er,O)と、世界最高の閉じ込め効果を有するフォトニック結晶からなる光ナノ共振器を作製し、Erイオンからの誘導放出実現可能性を検証することに当面の目標を設定する。 1.光閉じ込め機能を有するGaInP/GaAs:Er,O/GaInP DH構造の設計と作製に向けて、15μm域に観測されるEr-20発光に対する光閉じ込め係数を、GaInPおよびGaAsの屈折率を考慮して計算し、層構造作製の指針とした。その結果、GaAs膜厚1μmにおいて光閉じ込め係数97%が得られることを明らかにした。 2.フォトニック結晶の加工精度の観点からGaAs:Er,O層厚を0.2μm程度に留める必要があるため、GaAs:Er,O単層膜においてEr-2O発光強度の膜厚依存性を調べた。その結果、Er-2O発光強度が膜厚の2乗で変化することを明らかにした。現在、膜厚0.2μm程度の試料において、測定に耐えうる十分なEr-2O発光強度を得るために、試料作製条件を再検討中である。
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