2007 Fiscal Year Annual Research Report
偏光波形整形フェムト秒レーザ励起時空間ナノフォトニクス
Project/Area Number |
19656092
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 Keio University, 理工学部, 教授 (40204804)
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Keywords | 応用光学・量子光工学 / 高性能レーザ / 走査型プローブ顕微鏡 / ナノ材料 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーパルスの周波数位相,偏光波形を整形することで,ナノ構造体が作る近接場の時空間分布を変化することができ,さらに実験装置上で閉ループ制御を行うことで近接場時空間分布を制御できることを示すことを目的に,平成19年度はレーザ波形整形および観測用の要素技術開発を行った。以下にその項目と得られた知見を述べる。(1)完全な偏光波形整形には,直交偏光波形の振幅・位相を整形する必要がある。この4つのパラメータを独立に整形できるよう2次元液晶空間光変調器を2回反射する整形器を考案し,実験を行い,フェムト秒パルス偏光波形が整形できることを確かめた。振幅と位相マスクの干渉が課題として挙がったが,回折光を用いる方法を検討して装置改良を行った。(2)銀微粒子を分散させたフォトダイオード検出面上で,金属プローブを用いた反射型近接場顕微鏡を構築し,プローブで指定した場所のフェムト秒励起近接場光の自己相関波形計測可能にした。この顕微鏡を用いて,励起フェムト秒レーザの偏光,周波数位相を変化させ,異なる箇所における近接場光の自己相関波形計測を行った。時間波形における顕著な変化,強度空間分布の変化はまだ明確に観測できていないが,今後の詳細な比較を行うための計測手段が構築できた。(3)FTDT数値モデル計算によって,金属プローブと微粒子がつくる近接場分布を計測し,実験結果の解釈に用いることができるようになった。
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