2008 Fiscal Year Annual Research Report
偏光波形整形フェムト秒レーザ励起時空間ナノフォトニクス
Project/Area Number |
19656092
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 Keio University, 理工学部, 教授 (40204804)
|
Keywords | フェムト秒レーザ / 局在プラズモン / 近接場光顕微鏡 / 偏光波形整形 / FDTD解析 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーパルスの振幅,位相,偏光波形整形によって,従来ナノ構造によってその空間分布のみが制御されていた局在プラズモンの時空間特性を制御する原理と実際の装置構成,応用の可能性ついて研究を行い,以下の知見を得た。 1. FDTD数値モデルを用いて広帯域フェムト秒レーザ励起局在プラズモンの動的変化をシミュレーションし,周波数チャープ特性とナノ構造のプラズモン共鳴波長をうまく組み合わせることで,回折限界以下の空間において局在プラズモン場を時空間制御することが可能であることを明らかにした。さらに,ナノ構造の方向と偏光波形を組み合わせることでも制御可能であることから,フェムト秒レーザーパルスの振幅,位相,偏光波形整形によって自由度の高い制御性が得られることを見出した。 2.フェムト秒レーザの偏光波形整形を実現する波形整形器を考案し,実際に実験系を構築してその性能を調べた。本手法は,直交偏光成分に分解しないため非常に安定であることがわかり,局在プラズモン場制御に必要な性能を有することを明らかにした。 3.時空間制御された局在プラズモンをいかに計測するかについては,コレクションモードの近接場顕微鏡による周波数干渉計測,平衡ホモダイン型電界相関関数計測,電界相互相関イメージング法を考案し実験を行った。背景光と局在プラズモン場の分離によるSN向上が課題であり,改良方法を考案した。 4.応用分野として,フォトニッククリスタル導波路における変調・スイッチング,相変化メモリー,分子間エネルギー共鳴移譲の計測法,などを検討した。
|