2007 Fiscal Year Annual Research Report
双対性がもたらす多視点モデル化:数学原理からシステム設計へ
Project/Area Number |
19656103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室田 一雄 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 辰次 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80134972)
大石 泰章 南山大学, 数理情報学部, 准教授 (80272392)
寒野 善博 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (10378812)
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Keywords | 双対性 / 最適化 / 制御理論 / 相反変換 / 一般化KYP補題 / 構造解析 / ロバスト性 / 不確かさ |
Research Abstract |
本年度の成果は次の1と2に大別される: 1.双対性の横断的理解と応用可能性, 2.相異なる双対性概念の組み合わせによる新しい応用の創出. 「1.双対性の横断的理解と応用可能性」においては,まず双対性概念の基本的性質について,特に線形空間の双対性とルジャンドル変換を中心に研究した.次に,双対性の利用技術には分野によって大きな開きがあることを踏まえて,最適化と制御における状況を調査・分析した.さらに,最適化と制御に関する近年の動向および構造物のエネルギー原理に関する最近の知見に基づき,相異なる双対性概念を組み合わせることによって新しい工学的応用を生み出せることを指摘した.以上の結果は横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)発行の学術雑誌「横幹」に発表している. 「2.相異なる双対性の組み合わせによる新しい応用の創出」においては,以下の3つの研究を行った. (1)制御における相反変換と一般化KYP補題の双対化 システムの極と零点を入れ替え,かつ低・高周波帯域を入れ換える新たな変換である「相反変換」を定義した.この双対的視点によって様々な制御性能限界を統一的に扱うことができる.また,有限周波数特性を直接的に扱うことができる一般化KYP補題に基づく設計法を実用的にするために,その双対最適化問題を導き,計算量解析を行った. (2)構造解析におけるロバスト性の評価と実現 構造物のロバスト性の計算と最適化について線形計画問題の双対性を利用した新しい方法を提案した.これにより,崩壊荷重係数に関する構造物のロバストネス関数を容易に計算できる.また,崩壊荷重の制約を伴うロバスト構造最適設計問題が線形計画問題に帰着でき,最適設計解が容易に得られる。 (3)ロバスト半正定値計画における近似解法と厳密性検証 不確かなパラメータを持つ最適化問題に対して,線形代数における双対性を使った近似解法を考察するとともに,最適化における双対性を使って近似の厳密性を検証する方法を提案した.
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Research Products
(6 results)