2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTを用いた空隙構造の三次元画像計測と電気泳動によるコンクリートの空隙評価
Project/Area Number |
19656106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉山 隆文 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (70261865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 和紀 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60187474)
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Keywords | 高分解能X線CT / 3次元細孔構造 / セメントペースト / コンクリート / 空隙率 / 屈曲 / ランダムウォークシミュレーション / 連続空隙率 |
Research Abstract |
コンクリートの微細構造を三次元で抽出するために、放射光X線CTおよびX線マイクロCTによる画像計測手法を開発することを目的に研究を実施した。画像解析においては、一般的に、試料から一部を抽出して解析を行うが、抽出する要素が試料全体の特性を表わしていることが不可欠である。そこでREV(representative elementary volume)解析に基づいて代表要素を抽出し、この抽出領域の特性が試料全体の特性を代表しているかについて研究した。すなわち、試料全体を代表する標本を抽出できるように、十分小さくかつ空隙を巨視的に捉えられるようにREVの最適値に関して研究を実施した。本研究の範囲内で得られた知見は、次の通りである : (1)VOIのサイズが小さいほど抽出位置による空隙率のばらつきが大きいことが観測された。(2)400^3voxels以上で空隙率、標準偏差とも一定値に収束したことから、REVの最適値はその最小値を採用して、400^3voxelsすなわち200^3(μm)^3と推測した。次に、取得したデータを演算処理して得られた画像データを用いて、空隙構造の定量化指標を決定するためにランダムウォークシミュレーション法の適用を引き続き研究した。使用した供試体は、普通ボルトランドセメントを用いたセメントペーストである。材齢を2、7、28日として、空隙構造について、空隙率、連続空隙率、拡散屈曲度をそれぞれ定量化することができた。材齢が進むにつれて、これらの指標は変化し空隙構造が緻密化することを定量化できた。今後の検討事項として、空隙の定量化にあたって、空隙と固相との区別に関する閾値の研究、パーコレーションの依存性に関する研究を明らかにした。
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Research Products
(2 results)