2007 Fiscal Year Annual Research Report
豪雨と地震の同時期生起に対する盛土のマルチハザード分析
Project/Area Number |
19656117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 潤一 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (30272511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 友良 足利工業大学, 工学部, 准教授 (00237736)
清田 隆 東京理科大学, 理工学部, 助教 (70431814)
堤 千花 東京大学, 生産技術研究所, 技術職員 (20396914)
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Keywords | 三軸試験 / 飽和土 / 液状化 / 繰り返しせん断 / 砂質土 / 盛土 / 地震 / 降雨 |
Research Abstract |
2004年の新潟県中越地震では、自然斜面と盛土に多大な被害が生じた。この大被害は、作用した地震動が大きかったことに加えて、地震が発生する数日前より大量の降雨があったことが関与していると考えられている。一方で、これまでの設計においては、大きな地震動と大量の降雨の影響を同時に考慮することは行われていない。これは、大地震と豪雨のような異常事象が同時に生起する確率が無視できるほど小さいことを前提としている。しかしながら、1968年の十勝沖地震において青森県三戸郡の目時で生じた道路盛土と鉄道盛土の大規模な崩壊も直前の豪雨の影響を受けたと考えられており、中越地震だけが例外なわけではない。以上の背景のもとで、本研究においては、本研究においては、豪雨と地震の同時期生起による盛土のマルチハザードを対象に、以下の2点を明らかにすることを目的として実験的および解析的な研究を実施する。 a.豪雨による飽和度の変化とその後の地震荷重が盛土の安定性におよぼす影響を定量的に評価する。 b.盛土の安定性が損なわれるような規模の地震と豪雨が同時期に生起する確率を定量的に評価する。本年度は、盛土を構成する砂質土の繰り返しせん断強度変形特性に及ぼす飽和度の影響を実験的に明らかにするために室内土質試験装置の改良を行った。また、改良後の試験装置を用いて稲城砂の繰り返し三軸試験を実施した結果、飽和度が高まるほど液状化強度が低下すると同時に、残留変形特性にも変化が生じることを明らかにした。
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