2007 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和な河川堤防を活用したゼーベック効果による熱電変換の可能性
Project/Area Number |
19656118
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神谷 浩二 Gifu University, 工学部, 准教授 (50252119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 祐二 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90188178)
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Keywords | 不飽和土 / 水分特性曲線 / 不飽和透水係数 / 熱電変換 / 熱的性質 |
Research Abstract |
本研究は,ゼーベック効果に従った河川堤防による熱電変換システムの可能性を探るため,不飽和地盤の熱電材料としての有用性を見極め,不飽和地盤による起電力を評価することが目的である. 平成19年度は,不飽和土の浸透特性値と熱的性質との関連について基礎的に検討するとともに,不飽和地盤の発電効率の特徴を見出すための室内試験装置の試作を実施した.不飽和土に熱を与えたときの蒸発速度と浸透特性との関連を調べた結果,以下のような事項が得られた. 1)不飽和土にある一定温度の熱を与えたとき,土が温度上昇するとともに蒸発速度が増加する材料予熱期間,蒸発速度が一定値を示す恒率乾燥期間,その速度が一定に低下する減率乾燥第1期間,さらに速度が不規則に減少しゼロとなるまでの減率乾燥第2期間が存在することが確認された.不飽和土に与える温度を上昇させると蒸発速度も上昇する関係であった. 2)減率乾燥第1期間が終了するときの体積含水率は,水分特性曲線の残留体積含水率にほぼ等しい値が得られた.その期間は,液状水フラックスがほぼなくなるときの体積含水率とみられた. 3)体積含水率と蒸発速度の関係で表される乾燥特性曲線と水分特性曲線,不飽和透水係数の不飽和浸透特性値との関連を分析するために,不飽和浸透流解析手法を用いて,乾燥特性曲線から浸透特性値の逆解析を試みた.この結果,逆解析によって推定される水分特性曲線,体積含水率と不飽和透水係数の関係は,測定されたものにほぼ合致した.この逆解析手法は,水分特性曲線を短時間で推定する簡易法として位置づけられた. 最終年度の平成20年度は,試作した室内試験装置によって,不飽和土の諸性質と熱電材料特性値との基本的関係について究明する計画である.
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