2007 Fiscal Year Annual Research Report
波浪エネルギーを利用した沿岸域における貧酸素化防止策に関する研究
Project/Area Number |
19656123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小松 利光 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (50091343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押川 英夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80311851)
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Keywords | One-Way Pipe / 波浪場 / 波浪残差流 / 方向抵抗差 / 風レンズ |
Research Abstract |
本研究は、自然界において人類の生産活動や社会活動により傷っいた自然環境を蘇生・再生させるために、自然エネルギーの一部を利用して流れや物質輸送の新たな創出や制御を可能にしようとするものである。成層状態は閉鎖性の内湾など潮流の弱いところに発生し、底層が貧酸素化することが多い。非対称構造物を管路内壁に複数個取り付け、流れの方向により管内抵抗が異なるパイプ(以下0ne-Way Pipeと呼ぶ)を波の下の往復流場である海底に設置すると、管内で一方向流れが創成されることが期待される。このOne-Way Pipeを貧酸素水塊力溌生して停滞しやすい領域に設置することにより、その領域から流れと混合力の強い外の海域まで自然エネルギーである波のエネルギーの一部を使って貧酸素水塊を取り出し、貧酸素水の問題を解決しようとするものである。平成19年度の主な成果は以下の通りである。 (1)室内実験を行い、波浪残差流が最も大きくなるOne-Way Pipe内設置粗度の形状、間隔、大きさ等の最適諸元を決定した。次にパイプの出入口部にラッパ状の形状を付けた場合の残差流生成能力について検討を行った、更に風レンズの原理を応用して、出口付近にツバ状の突起物を取り付けた場合の残差流生成能力についても同様に検討した。 (2)波長とパイプ長の比に対する波浪残差流の生成量を求め、波長に対する最適パイプ長比を決定した。 (3)実験により波長に対する最適すきま間隔、またそのときにパイプから次のパイプに手渡される水の輸送量の評価を行った。特に2個、3個、4個と数を増やして連続設置した場合の効果も定量的に把握した。また、パイプとパイプが直線でなく角度をもつ場合(輸送経路を曲線にするためにも必要)の連結機能についても定量評価を行った。
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