2009 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光センサによる自動車運転者生理反応計測と心的緊張度評価の手法開発
Project/Area Number |
19656128
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
内田 敬 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60203535)
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Keywords | 道路交通 / 安全性評価 / サービス水準 / ITS / ドライバー反応 / 生体 / 実験 / バイタルセンサー |
Research Abstract |
1. 研究の目的 都市高速道路の運用策・安全対策を定量的に評価することを目指して、ドライバーの反応のうち、潜在的危険度円滑運転に大きく影響する心的緊張度と密接に関連すると思われる生理反応を計測し、それより得られる客観指標基づいた心的緊張度評価手法を開発することを目的としている。 2, 研究内容・成果 3ヵ年研究の最終年度にあたる今年度(平成21年度)は過年度に実施した走行実験によって取得した生理反応データの分析を中心に研究を進め、さらに研究成果の検証のための実験も実施した。 (1) 生理反応データの分析 実験データは、約20人の延べ約60日(1日あたり2時間弱)の都市高速道路等の実走行時の生理反応データである。これらを、a)被験者の反応タイプ(過敏、熟練など)、b)道路環境(分合流、渋滞、連続カーブなど)によって区分し、秒単位の短期的反応と分単位の(比較的)長期的な反応の観点から、分析した。分析にあたり、4種の生理反応データから2次元の緊張度指標を(複数タイプ)定め、道路線形・混雑度などの客観的刺激や被験者の発話・エピソード記録から推察される緊張度と緊張度指標との対応関係を見た。分析・検討の結果、被験者の反応タイプは大きくは3タイプに分かれ、そのうちの2タイプ(運転習熟者、初心者)においては、短期・長期ともに良好な対応関係を示す緊張度指標を明らかにすることができた。残る1タイプ(約2割)の被験者は前2者の混交したような反応を示すため、適切な緊張度指標・緊張度評価における反応フェーズ区分などの前処理について、今後の研究を必要とすることとなった。 (2) 検証実験 上記の分析に用いた実験データの被験者のうちの6名を抽出して、分析・検討結果の妥当性・時間的安定性を検証する実験を行った。これら6名は1年以上の間隔をおいての再実験であったが、緊張度指標を基準化・相対化して適用すれば、上記の研究成果が妥当性を有することが確認できた。
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Research Products
(1 results)