2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロカプセルを用いたコンクリートの性能制御手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
19656134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三橋 博三 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (90091751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐越 一紀 東北大学, 工学部・工学研究科技術部, 技術職員 (60240660)
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90126277)
西脇 智哉 山形大学, 地域教育文化学部 (60400529)
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Keywords | マイクロカプセル / セメント / 水和反応 / 製御 |
Research Abstract |
セメントの水和反応や硬化コンクリートの性質を制御する混和剤をマイクロカプセル化し,コンクリートに混入することによって,例えば水和熱が高くなり過ぎないようにセメントの水和反応を遅らせて,初期の急激な温度上昇と自己収縮を抑制し,長期強度の伸びを確保する技術の開発に取組んだ。具体的には,水セメント比がW/C=0.35および0.25の高強度コンクリートに対して,遅延剤微粉末をパラフィンでマイクロカプセル化した状態で混入し,温度の上昇の様子や強度の発現特性,更には自己収縮ひずみの進展具合を計測・観察した。その結果,遅延剤混入マイクロカプセルを用いることで,その徐放效果によりパラフィン溶融温度よりもはるかに低い温度の段階で水和熱の上昇速度が抑制され,最高温度にも低下が見られた。更に,水分逸散を防止した試験体にひずみゲージを埋め込むことで,自己収縮ひずみに及ぼすマイクロカプセルの効果を観察した。その結果,コンクリートの自己収縮が抑制されることを確認した。また,通常は水和熱の急激な上昇により時間経過と共に圧縮強度の値の伸びが頭打ちの傾向があるの対して,マイクロカプセル混入試験体ではその傾向が改善される様子が確認された。 しかしながら,マイクロカプセルの介在により,水和反応の遅れた箇所に跡が残るという問題も観察された。そこで更に,マイクロカプセルの混入材料および製造方法を見直し,より実用に供し易いマイクロカプセルの試作を行って,断熱温度上昇試験などにより,その性能を確認した。 以上の水和熱制御用マイクロカプセルの開発・改良に加えて,個々の混和材料は各々優れていても,同時に組み合わせて用いることでその効果が必ずしも生きてこないものとか,最初から混入して反応させるために無駄の多いものなどを調査し,マイクロカプセル化技術の応用によって解決できそうなものを洗い出す作業を行った。
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