2007 Fiscal Year Annual Research Report
近い将来の巨大地震にむけた地震時建物挙動の広域モニタリング体制の構築
Project/Area Number |
19656136
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飛田 潤 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90217521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 宏章 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (40402557)
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Keywords | 地震防災 / 建築構造 / 耐震 / 地震観測 / 常時微動 / ウェブGIS / モニタリング / 被害調査 |
Research Abstract |
本研究は、主に一般的な中低層建物を対象として、多様な構造特性や耐震改修効果の検証を含めた耐震性能評価のための応答観測手法の検討を行い、それに基づいて近い将来の巨大地震による膨大な構造被害データを効率的に収集するための「広域に展開した戦略的な地震時建物挙動モニタリング体制」の提案と実現可能性の検討を行うことを目的としている。平成19年度は、基礎となるデータの収集整理とシステムプロトタイプの構築を行った。 (1)モニタリング体制検討のための建物常時微動観測、強震観測と観測データ整理 名古屋市小学校建物(約100棟)など、これまでに実施した多数の常時微動・強震観測結果の整理と再解析、耐震診断・改修資料の整理分析を行い、振動特性と耐震診断との相関について検討した。また、耐震改修前後の微動計測ならびに耐震診断・改修資料の収集・分析を行い、耐震改修効果の常時微動による評価の基礎データを蓄積した。さらに、愛知県内の複数の高校校舎における強震観測、名古屋市内の複数の共同住宅を対象にした微動計測の実施と強震観測の準備など、新たなモニタリング体制の準備を行った。 (2)モニタリングシステムのプロトタイプ開発 中低層建物の平常時の振動特性、地震時挙動および被害状況映像をモニタリングするためのシステムの仕様を検討した。既存強震計のLAN接続やADSL回線によるリモート管理、モバイル通信の活用、専門外の作業担当者によるマニュアルデータ回収などの実現性確認も試みている。 (3)モニタリング対象建物の選定戦略と被災状況評価手法の検討 地盤特性や予測される地震動の分布と観測対象建物の耐震性の関係を考慮して、被害の全体像を的確に把握するためのモニタリング対象建物選定の手法を検討している。まず名古屋市内を対象として、ウェブGIS上に地盤、地震動分布、観測建物とその属性、観測結果などを統合するシステムを開発している。
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Research Products
(6 results)