2007 Fiscal Year Annual Research Report
入力地震動に依存せず最大応答加速度を指定値以下に低減できる三次元免震装置の実現
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19656138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (50324653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝井 健 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60263109)
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Keywords | 免震装置 / 上下地震動 / 非線形バネ / 定荷重バネ / パッシブ振動制御 |
Research Abstract |
地震動は水平方向と上下方向に分解できる.水平方向のパッシブ免震装置は比較的容易に製作できるが,上下方向には重力が免震対象物に作用するため水平方向ほど簡単でない.上下方向支持部の剛性を単純に低下させると,重力と釣り合うまでに許容できない大きな静たわみ(沈み)が生じる.そのため,種々の上下方向免震装置が開発されているにもかかわらず,2秒程度の長周期化を実現することすら困難な状況にある.これらの問題点を解決するため,本申請者は支持力が異なる定荷重バネ,の組み合わせにより免震対象物を支持する上下方向免震装置を新たに考案し,数値解析によりその免震効果を既に確認している.本研究課題では,申請者が考案した上下方向免震装置の基本原理をもとに,上下・水平方向をともに一定荷重支持デバイスで支持することで,装置基盤に入力する地震動の種類に依存せず免震対象物の最大応答加速度を指定値以下に抑えられる革新的なパッシブ三次元免震装置の開発を長期的目的とする. 本年度は,20kg程度の軽量対象物に対する上下方向免震装置を設計・試作し,その性能検証実験を行った.本実験の上下方向加振には,関西大学が保有する上下・水平二次元振動台を用いた.本実験を通じて,最大2G程度の上下加速度入力を,0.2G程度まで低減できることを実証した.しかし,装置のロッキングに対する対策が課題として残っている.また,実験結果とのキャリブレーションにより,既に開発済みの免震効果予測プログラムの精度向上を行った.本結果を日本建築学会構造系論文集に投稿した。本論文は現在,再査読のプロセスにある.
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Research Products
(1 results)