2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化的景観としての水上集落論-世界自然遺産ハロン湾の些理情報と居住動態の分析
Project/Area Number |
19656157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
浅川 滋男 Tottori University of Environmental Studies, 環境情報学部, 教授 (90183730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 漢賢 鳥取環境大学, 環境情報学部, 准教授 (80341064)
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Keywords | 世界遺産 / 家船 / 文化的景観 / 水上集落 / 地理情報 / 居住動態 / ハロン湾 / 陸上がり |
Research Abstract |
ベトナム北部の世界自然遺産ハロン湾の水上集落クアヴァン漁村での調査をおこなった。現地には6名で赴き、2名がGPSとレーザー測距器を併用した水上集落配置の測量、1名が居住動態に関するヒアリング、2名が家船・筏住居の実測、1名が水墨画による水上集落パノラマのスケッチを担当した。帰国後、現地で収集した地理情報を地球儀ソフトGoogle Earthと連動させて、精度の高い配置図を完成させた。さらに、そのデータと実測図、写真データ、衛星写真画像などの諸データを複合させ、現状の3次元景観CGを制作した。その後、復原的研究により家船を中心とする過去の景観CG、現地で視察したフェロセメントのパイロット住居や建築家設計の水上住居を取り入れた未来型景観CGをシミュレーションとして制作した。また、純粋な自然景観と、家船や筏住居を含む文化的景観の差を水墨画として表現した。これらのデータをもとに、ハロン湾の文化的景観保全のあり方を今後模索していきたい。 一方、居住動態に関しては、・おもに漁携から養魚・養殖の生業転換にともなう家船から筏住居への住み替えについて、どのような生活空間と生活様式の変化が発生しているかを考察した。とりわけサンと呼ばれる筏住居前側の通路がコミュニティ生成の鍵となっている。現在、養魚・養殖の安定性により、陸上がはほとんど進んでいないが、今後、子どもの「教育」を媒介にして、それが進行していく可能性がある。
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