2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶の空間的な外場制御によるマルチ機能ガラス材料の創製
Project/Area Number |
19656163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 巧 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10278393)
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Keywords | ナノ結晶化ガラス / レーザー結晶化 / 酸化チタン / テルル・ナノ結晶 |
Research Abstract |
平成19年度の目標を「レーザー局所結晶化及び外場制御に好適なナノ結晶化ガラスの探索と基本実験」として実施した。レーザー局所結晶化法として、紫外レーザーを用いてガラスの光学吸収端近傍を励起する方法を採用し、ナノ結晶化を呈するガラスの候補材料として、酸化チタンおよびテルル結晶を析出する系を選択し、以下の成果を得た。 1,世界初の発見となる酸化チタンを選択的に単相として析出するナノ結晶化ガラスに対して、加熱補助による外場制御に加えて、紫外パルスレーザー照射を実施し、基板表面に直径数十から数百nmのナノ結晶粒子を高密度で生成・形成することに成功した。これは、通常の均一熱処理ではこれまでには発現しない結晶相・形態であり、パルス加熱と光子効果によって時間制御されたガラスの結晶化挙動に起因すると考えられる。ガラスと結晶という異相からなる新しい表面ナノ構造の手法として、光触媒能の増大や表面プラズモン効果の発現など、多様な展開が期待される。 2,上記と同様のレーザー局所結晶化法により、テルライト系ガラスから直径数十nmのテルル結晶が析出することを見出した。アーバック則による光学吸収端の解析やパルス加熱の熱伝導解析によって、この場合のテルル・ナノ結晶析出は、主に熱的な要因に起因することを明らかにした。さらに位相マスクを用いた光干渉法によって、テルル・ナノ結晶の配列構造形成に成功し、ナノ光回路への適用を目指して、時間領域差分法による光波シミュレーションから、光伝搬損失を低減するナノ粒子連結構造の最適化を行った。
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