2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656171
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
和田 匡史 Japan Fine Ceramics Center, 材料技術研究所, 副主任研究員 (30426506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 諭 (財)ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (80416198)
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Keywords | 腐食防止膜 / プロトン伝導体 / 拡散 / 高温安定性 |
Research Abstract |
本研究では、腐食防止膜にプロトン伝導体を適用することにより、膜中の酸化物イオンの内方向拡散を抑制し、腐食防止膜の特性向上を図ることを目的としている。今年度は、超高温の腐食ガス(0_2、0_2+H_20)のポテンシャル勾配下におけるガス透過性の評価等を行い、候補となるプロトン伝導体の超高温環境下における性質の把握を試みた。まず、代表的なプロトン伝導体であるLaPO_4について、材料安定性を評価し、その結果、高酸素分圧下では安定であるが、低酸素分圧下では分解することが予測され、非酸化物系基板に被覆した場合に分解することが示唆された。また、Al_2O_3、YSZ等の酸化物セラミックスとの適合性について評価し、高酸素分圧下では反応しないが、低酸素分圧下では反応することを計算・実験の両方から確認した。一方、LaPO_4の酸素透過係数は、代表的な酸化物イオン伝導体であるYSZと同等と、比較的大きな値を示した。更に、水蒸気の共存がLaP04の酸素透過にほとんど影響を与えないことが明らかになった。次に、La_2Si_2O_7焼結体を試作し、ガス透過性の評価を実施した。その結果、0_2+H_2Oのポテンシャル勾配下では、水素透過が起こるとともに、02のみのポテンシャル勾配下の場合と比べて、酸素透過量が減少していることが明らかになった。また、ガス透過性評価後のサンプルについて組織観察を実施した結果、特異な組織変化や元素の偏析は認められず、La_2Si_2O_7が腐食ガスのポテンシャル勾配下において安定であることが確認された。
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