2007 Fiscal Year Annual Research Report
無機バインダーを利用した先進セラミックス製造プロセス技術の開発
Project/Area Number |
19656178
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 実 Nagoya Institute of Technology, 学内共同利用施設等, 理事 (60093100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 正督 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50238523)
山川 智弘 名古屋工業大学, 学内共同利用施設等, 産学官連携研究員 (80432293)
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Keywords | 無焼成セラミックス / メカニカルミリング / プロセス制御 / 固化 |
Research Abstract |
今日のセラミックス製造プロセスは、プロセス各工程で二酸化炭素を量に排出し、特に焼成プロセスにおいて最も多く排出される。そのため、環境負荷とコスト低減を追及した、セラミックス製造プロセスが切望されている。本提案は、焼結プロセスを一切省いた、従来のセラミックス製造プロセスでは実現できなかった、機能の高度化・多重化した「無焼成セラミックス」を作製し、新規機能性を有するセラミックス製造プロセスを確立することを目的とし研究を行った。焼成プロセスを省くことで、高価な有機バインダーを使用することがないことや、大幅なコストダウンに繋がることも推測される。特性の異なる原料を用いて有用な機能性セラミックスに転換するための新たな材料設計を提案する。 原料から金属イオンが溶出し、溶媒に取り込まれるとセラミックスが固化することから、原料とするペーパースラッジ灰の溶出挙動を検討した。その結果、Si^<4+>,A1^<3+>,Ca^<2+>の金属イオンが主に溶出し、これら金属イオンが固化に寄与することが分かった。これら、金属イオンの溶出は、メカニカル処理を行うことで顕著になるが、20min以上のメカニカル粉砕は、金属イオン濃度にほとんど増加は見られなかった。粒度分布測定において、平均粒径の増加が認められたことから、長時間のメカニカル処理は、逆に粒子の再凝集を伴っていると考えられる。メカニカル処理を行った粉体は、KOH溶液の添加、均一混合により、数分で急速に粘度の上昇が見られた。このことから、これまで用いられてきたSi源としての珪酸塩を用いることなく、安価なアルカリ溶液を添加のみで、固化でき、廃棄物原料から無焼成セラミックスを作製できることが明らかになった。
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