2008 Fiscal Year Annual Research Report
無機バインダーを利用した先進セラミックス製造プロセス技術の開発
Project/Area Number |
19656178
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 実 Nagoya Institute of Technology, 理事 (60093100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 正督 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50238523)
|
Keywords | セラミックス / 成形 / 環境 / メカノケミカル / 表面 / 粉体 / 固化 / 廃棄物 |
Research Abstract |
19年度で明らかになった、安易にAlを溶出する珪酸アルミ化合物をメカノケミカル粉砕により粒子表面状態を活性状態し固化するメカニズムを未利用資源へ展開した。無焼成セラミックスを作製するにあたり、本年度は主に原料としてペーパースラッジ灰を中心に検討をおこなった。まず、固化メカニズムに影響を与える溶出挙動についえて検討した。その結果、Si^<4+>,Al^<3+>,Ca^<2+>の金属イオンが主に溶出し、これら金属イオンが固化に寄与することが分かった。これら、金属イオンの溶出は、メカニカル処理を行うことで顕著になったが、20min以上のメカニカル粉砕は、金属イオン濃度にほとんど影響しなかった。粒度分布測定において、平均粒径の増加が認められたことから、長時間のメカニカル処理は、逆に粒子の再凝集をともない反応面積の低下をまねいていることが推察された。20min程度メカニカル処理を行ったペーパースラッジ灰は、KOH溶液の添加、均一混合により、数分で急速に粘度の上昇が見られた。このことから、これまで用いられてきたSi源としての珪酸塩を用いることなく、安価なアルカリ溶液を添加することのみで、固化成形できることが明らかとなった。また、これら無焼成セラミックスの強度は20〜90MPa程度の強度が発現可能であることがわかった。このことは、廃棄物原料からも実用に耐えうる無焼成セラミックスを作製できることを意味している。以上の様に、19年度で新たに見出したメカノケミカルを用いた表面活性化による粉体の易反応化による無機物質の固化法(無焼成セラミック作製法)を基礎として、ペーパースラッジ灰をはじめとする廃棄物や鉱山残渣などの未利用資源に対し同メカニズムで固化可能かどうかを検討し、19年度で行った基礎研究の確かさを確認した。また、これらの原料にたいし強度上昇に関する検討を材料プロセス学的に加え、強度的に実用的なレベルにまで強度向上させることに成功した。
|